はじめに
今回のThreatWireでは、人気のNextJSフレームワークにある新たな脆弱性から、VPN保護を回避する手法まで、さまざまなサイバーセキュリティのトピックについて掘り下げていきます。また、Signal や Telegram といったメッセンジャーアプリの安全性をめぐる議論についても探っていきます。セキュリティの専門家として、テクニカルな洞察と最善の対策を提供し、皆様の情報セキュリティを支援していきます。
NextJSに新たな脆弱性が発見される
モダンなウェブアプリケーションの構築に広く使われているNextJSライブラリに、2つの新たな脆弱性が発見されました。1つ目は、CVE-2024-34350として追跡されている「レスポンスキューの汚染」の問題です。これにより、攻撃者がバックエンドからのレスポンスを間違ったリクエストにマッピングし、機密情報を他のユーザーに露出させる可能性があります。2つ目の脆弱性、CVE-2024-34351はサーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)の問題です。このフローには、自己ホスティングしたNextJSサーバーのバージョンが14.11より古い場合、許可されていないリソースにアクセスや更新ができるという欠陥があります。ウェブサイトの管理者や開発者は、最新のNextJSバージョンを使用して、これらのリスクを軽減する必要があります。
新たな手法でVPN を回避できる
Leviathan Security Groupの研究者らが、DHCP オプション121を使ってVPNカプセル化を回避する手法を特定しました。この「デクロークアタック」と呼ばれる手法では、攻撃者がターゲットのVPNに自分がDHCPサーバーであると偽り、任意のルートを設定し、VPNトンネルの外部にターゲットのトラフィックを抜き取ることができます。この手法は2015年から知られていますが、研究者らは、最新のVPNプロバイダーに対する有効性を検証し、この問題への関心を喚起することを目的としています。ユーザーは信頼できるVPNサービスを使用し、デバイスとソフトウェアを最新の状態に保つことで、このような攻撃のリスクを軽減できます。
暗号化の議論: Signal vs. Telegram
メッセンジャーアプリのセキュリティをめぐる議論に新たな展開がみられます。Telegramの創設者であるPavel Durovが、Signalの暗号化が危殆化していると非難したのです。Durovは、アメリカ政府がSignalの暗号化に300万ドルを費やしたと主張しました。これに対し、Signalの代表は、Telegramのメッセージは頻繁に危殆化しており、政府と協力していると述べ、一方でSignalの暗号化は多くのテック企業に信頼されていると反論しています。セキュリティ専門家のMatthew Green教授も、Signalの暗号化を擁護し、Telegramの実装に関する懸念を指摘しています。
まとめ
今回は、人気ウェブフレームワークの脆弱性、VPN保護を回避する手法、そしてメッセンジャーアプリのセキュリティ問題など、さまざまなサイバーセキュリティのトピックについて探ってきました。セキュリティの専門家として、皆様の情報セキュリティを守るためのテクニカルな洞察と最善の対策をお示ししました。ソフトウェアやデバイスを最新の状態に保ち、常に警戒を怠らないことで、進化し続ける脅威から自身を守ることができるでしょう。
ポイント:
- NextJSライブラリに発見された2つの新たな脆弱性: レスポンスキューの汚染とサーバーサイドリクエストフォージェリ
- DHCP オプション121を使ってVPNカプセル化を回避する手法が特定された
- Signal とTelegramのセキュリティをめぐる議論が再燃、専門家がSignalの暗号化を擁護
- ウェブサイト管理者やユーザーは、ソフトウェアの最新化と信頼できるVPNサービスの使用で、リスクを軽減する必要がある